イチゴな恋

















あたしの理想の恋は


甘くて、ちょっとすっぱい


そんな、イチゴみたいな恋。









神様!あたしにイチゴな恋を・・・!



































「「すんません」」




「またお前らかよ・・・」




「「またってなん(ですか)(だよ)!」」




「よりによって校長の大事な花瓶を割るなんてなぁ・・・」




「「・・・・・」」









あたしと向日が昼休みに校庭でサッカーしてたときのこと。









「おっ!、あっち!」




そういって向日が指さした、


校庭の片隅には、一昨日降った、雪。


ちょうどそこは日陰になっているから、


残っていたんだと思う。




「すご〜い!」


「だろ?雪合戦しようぜ!」


「は?バカじゃん?」




マジでバカかと思いました。


白くて、汚れていなくて、とっても綺麗だけど、


あたしのヒザくらいしかないし、


あたしら中3だよ!?




そんなことを考えていたら,


後頭部に冷たいものがあたった。




「向日〜!!!」


「へへっ!バーカ!」


「ムキー!!!」




あたしも雪をつかんで、


めっちゃにぎにぎして、


全身全霊こめて、向日に雪を投げた。




そしたら、向日のデコに


クリティカルヒット☆




「いってぇ〜!」


「あたしって天才的ぃ〜w」


「こんにゃろ〜」


「バーカ」




向日がさっきのあたしみたいに、


雪をにぎにぎしてたから、


ものっすごい痛そうなのがくると察して、


あたしはやられる前に逃げた。




なぜか、校舎の方に。









「うぉっ!逃げんな〜!」


「うぎゃ〜!追わないで〜!」




予想通り、向日はあたしを


全力疾走で追ってきた。


あたしより、向日の方が


不覚にも足が速くて、


せっかく引き離した距離が


縮んでしまった。




「とりゃっ〜!!」




後ろから雪が飛んできて、


あたしは死ぬ気で避けた。









―――――そしたら









なぜか職員室の窓をあけてた


教頭先生のハゲ頭の上を通って、


誰かのデスクに置いてあった花瓶に


クリーンヒット☆









――――― ガッシャーン










「うげっ」


「向日のせいだ〜!」




そんなことを言い合ってたら、


校庭中に響く怒鳴り声。




「こら〜!向日っ!っ!」
























そして、現在に至る。














「おいっ!、聞いてんのか?」


「へっ!?」


「バ〜カ」


「まったく…よりによって校長には

 俺から言っておくから。

 お前らはちゃんと粉々の花瓶と花、掃除しとけよ。」




「「は〜い」」














「まったく…向日もよりによって

 校長の花瓶を割るなんてバカだよねぇ〜」




教室まで、ほうきとちりとりを取りに行くとき、


皮肉をたっぷりこめて向日にいってやった。




「ンだと?」


「てか、雪で花瓶って割れちゃうんだね。」


「まっオレだから出来るんだけどなっ!」




向日が超得意げに言っていたから、


自慢できることじゃないよ。って教えてあげた。




そんなことを話しているうちに、教室の前に到着。


教室から先生の声が聞こえて、


今は授業中であることに気付いた。




「うわっ!授業中かよっ」


「いぇす。昼休みに遊んでて、向日が花瓶割って、

 怒られて、もう授業始まっちゃってんの。」


「いや。オレがってとこ強調しなくていいから。」


「だって事実だし。」


「あ〜も〜!ほうきとちりとりっ!」




そんなこといったって、今はしつこいけど授業の真っ最中。


あたしらバカみたいじゃん!!



「よしっ!!ここは堂々といくぞ!」


「おぅっ!」




向日を先頭に教室に入る。


ガラッと開いたドアの効果音で


みんなの視線がいっせいにあたしらに向けられた。




「こ…こんにちはっ」


「よっ!」




ちょこっと挨拶して、


教室のど真ん中を通って


うしろにある、清掃用具入れへむかう。




けどやっぱ、みんなはあたしらの事を


シカッティングしてくれなくてさ…。




「おまえら何してんだよ〜!」


っ!サボるなんてズルイっ!」









あらまぁ。そんな人聞きの悪い事を。




「あたしじゃなくて向日がっ!」


「オレじゃなくてがっ!」




あたしのほうが先に言ったのに、


向日に同じ事いわれた。




「おまえらのことは教頭先生に聞いた。

 さっさと片付けて来いっ!」




「「うぃ−っす」」




先生がみんなに文句をいわれてるあたしたちに言った。




「授業に集中しろっ!」




そう先生が怒鳴ったとたん、


一瞬にして教室に静けさがはしった。


またうるさくならないうちに、


そそくさと清掃用具入れから


ほうきとちりとりをだして教室をでた。









「向日のせいだ〜!」


「は?なにが?」


「だってみんなにイロイロ言われた…」




向日はどってことないかもしれないけれど、


あたしは結構ハズい。




なんかヘンだぞ?」




平気な顔して、向日があたしの顔を


のぞきこむから、かなりビビって


その場から離れた。




「ほら、やっぱヘンじゃん。」


「ヘ…ヘンなんかじゃないしっ!」


「だって、顔、赤いし。」




びっくりして、自分の頬を


両手で包み込むように触れてみたら、





・・・・・熱い。





「熱でもあんじゃね?」


「うっさい!シャラップ!!」




ぎゃあ!どうしたんだ自分!!




これってまさか…



















「・・・恋?」


「はぁ?誰に?」


「向日に・・・?」




あたしがそういったとたん、


向日の顔もあたしみたく真っ赤。




「おめぇ、どんな告り方してんだよ!」


「えっ!今あたし告ってたの!?」


「違うのかよっ!」


「う〜ん。・・・スキっ!」




お。我ながらダイタン!!




「・・・オレもスキ」




うひょっ!コレは両思いというやつではっ!?









「おっ!やっと学校イチのバカ同士がくっついたぞ〜!」




声のする方を見れば、ほとんどクラスのみんなが全員集合。


みんながあたしらのことを見てイロイロ言ってる。




!逃げっぞ!!」


「うぃ〜っす!!」




そういって、二人で逃げた。


片手にほうき、片手にちりとりを持ったまま。









あたしの恋は


とてもじゃないけど


イチゴな恋なんていえないけれど、


あたしは向日がダイスキっ!









神様。あたしにステキな恋をありがとう!!












・・・・・・・・・・・・・・・
ながいですね。
自分で思います。
ちょうどいい。とか
思ってくれた方、ありがとうございますw

ここまで読んでくださってありがとうございました!



05/01/27