ねぇ?知ってる?


ペコちゃんのミルキーって


キャンディあるじゃん?


その包み紙にペコちゃんが


10にんいたら、恋が叶うんだって。









生徒手帳に挟んで、


あたしは10ペコの包み紙を


ずっと持ってたんだ。


そしたら、叶わないと思ってた恋が


少し時間はかかったけれど


叶ったんだ!












まるで、魔法みたいに。






















きゃんでぃ*まじっく






















あたしの好きな人は


学校内でも、かなりモテるであろう、


丸井 ブン太。


同じクラスでも、いっつも女子に囲まれてて


あんまり話したこととかはなかった。









けれど、そんなあたしにも恋の女神様は微笑んでくれた。









ある日の席替えで


あたしは丸井の席の後になった。




だからって、たくさん話すようになった…


というワケでもなく。




授業中、彼が前にいると思うと


あたしはドキドキで


先生の言ってることなど


聞こえやしなかった。









そんなあたしが、


いっちばんドキドキしていたのが




・・・プリントや、手紙がまわってくるとき。




自分でもおかしいくらいにドキドキしちゃって、


丸井がこっち向いちゃった時なんて


ヤバイです。あたし。






恋する乙女ってなにモンじゃ〜!!!














さて、その恋する乙女の一大イベントが、




『バレンタイン』




そして、そのバレンタインデーがもう


一週間後に迫っているのです!!









「う〜ん。告るべきか否や・・・」




そんなことを考えていた、


授業と授業の間の10分休み。


知らぬ間にあたしは声にだして


しまっていたらしく、




「えっ!誰に告んの!?」




って友達のにたずねられちゃいました。




「いや〜。告るか、告らないかを考えてたのョ。」




そう答えたら、


はめっちゃ楽しそうな顔して、こう言ったんだ。









「もしかして…丸井?」









「ンなワケないじゃんっ///」




てか、こんなところで言うか?


だってあたしは自分の席に着いてて


前に丸井がいないならまだしも、


ちゃっかり目の前にすわってて


あたしの目の前にいるんですよ!?




「テレるなよ〜っw」


「いやっマジで違うからっ///」




全否定しているにもかかわらず、


は小声で




「大丈夫。丸井は他の女子達と話してて、

    あたしらの話してる声なんて聞こえないよっ!」



「そりゃそうだけど・・・」




今、あたし、何気にキズつきましたよっ!?


「他の女子達と話してて」って本当のことだけど、


結構あたし、ツラいんですけど。




の気持ちはわかったから、絶対に告れよっ!」




そういっては自分の席に戻った。




そこでちょうどチャイムがなって、


休み時間の終わりを告げた。









丸井を取り囲んでいた女子達は


「じゃねっブン太w」とか言って席についたり、


中には教室を出て行く姿も。




――――――恐るべし、丸井ブン太。









そんなモテモテBoyの背中を見ながら、


あたしはず〜っとず〜っと考えたんだ。






告るべきか、告らぬべきか。









もし、告ったとしたら


100%中フラれる確立は99.9999999999・・・


だよね。


そんなの告らなくても一緒じゃないかと


少し、思ったけれど


やっぱり自分の気持ちを


伝えたい。って気持ちはあるんだ。






どーせフラれたって、


前まではいい友達だったのに・・・とか


そんな心配はノープロブレム。


友達とか以前に、


話したこともあんまないし。









よしっ!たとえフラれちゃっても、


あたしの恋心にちょびっと


キズがついてしまうだけ。









それなら、男・・・じゃない。


女として、ここは一発、ドカーンと!!




そう、決心したところで


授業の終わりを告げるチャイムがなった。




我ながら、よくここまで考えられたものだ!!


、偉いぞっ!






そこまでは考えたモノの、


あたしは自慢じゃないけど


お菓子なんて作ったことないし、


包丁持ったのなんて、調理実習でだけ。









だからって買いチョコはイヤだし・・・









あたしが告ろうとしている丸井は


一体いくつのチョコを受け取るのだろう。


まさか、あたしってそんな丸井ファンの中の


一人ってことになっちゃうのかなぁ。




それは…ちょっと嫌だ。









「ね〜。ブン太はバレンタインに何ほしい?」




丸井の周りに集まってる女子が


あたしにイッチバン聞きたいことを


質問してくれた。




「・・・今はクッキー食べたいカモ。」




このヒトコトであたしは決めた。






《うっしゃ〜!クッキーつくってやらぁ!!》






といっても、


クッキーって簡単そうだけど


どうやってつくんの!?




ちゃん、人生最大の危機っ!!









そこで、恋の女神様は


またまたあたしに微笑んでくれたんだっ!









「ねっ!!次は家庭科だよw」


「あれ?たしか今日って・・・」


「調理実習だよっ!クッキー作んの!」


「マジで!?」


「うん。ってか、早くいかないとっ!」




まわりを見たら、教室にいるのは


あたしとのみ。




「うっしゃ!ファイヤ〜!!!」


…ファイヤーってジャッカルみたいだよ…。」




そんなのツッコミも聞こえないくらい


あたしはやる気マンマン。














「はい。じゃあ今日はクッキー作りますよ〜

 ちゃんとエプロンとバンダナつけてから  

 作りはじめてくださいね〜」






いぇっさーと心の中で敬礼した。






もともと、材料は用意されていて


分量もキチンと量ってあるから、


ただ、ふるって、まぜて、のばして、くりぬいて、


焼くだけ。


だから失敗する人なんて出ない。









・・・・・のハズだったのに。






「うわっ!なにコレ!?」




オーブンからでてきたときまでは、


いい色してて、美味しそうだった。




美味しそう?見た目でモノを


判断しちゃいけないのよ。




「マズッ・・・」




ここまでマズいクッキーを作ってしまったあたしは


一体、何者!?






〜!ちゃんと出来た?」




あたしが物凄く暗いオーラを


放出したであろう頃、


が笑顔で問いかけてきた。




「・・・・・。」


「あ〜あ。やっぱり。あたしは超おいしくできたもんねっ!」


「いいなぁ〜食べたい〜」


「いいよw召し上がれっ!」






得意げなのクッキーを


ひとつ頂いて、口に運ぶ。




「・・・・・おいし。」


「でっしょ!?いーだろーv」






ここであたしの頭をある考えがよぎる。









このクッキーを丸井にあげたら!!




いや、ダメだ。


だって、このクッキーは


あたしが作ったんじゃなくて、


が作ったんだよっ!?









・・・けれど。


あたしのクッキーは


人が食べれるモノじゃないし・・・。









っ!クッキー頂戴!!」


「い…いいけど。」


「さんきゅっ!」




にお礼をいって、


クッキーを4、5枚頂戴した。




っ!なんで?」


「あたしが食べんの〜!!」




そんな真っ赤なウソをついて、


猛スピードで家庭科室をでた。


廊下を全力疾走している途中、


いろんな人におかしな目で見られたけど、


そりゃ、普通は授業の時間に


両手にクッキーを持って走ってる生徒がいるんだもん。


普通じゃないよネ。









約30秒くらいで教室に到着。


急いで自分のスクールバックの中を


ゴソゴソ探すと、


前ににお菓子をもらったときの


きれいなラッピング袋。


そんなかにクッキーを入れて、


リボンでキュッと絞ったら


すっごく見た目もビューティフル。









「あたしって、すごっ!」




そんな独り言をいってクスクス笑ってた。


そして、いっつも持ってる生徒手帳に挟んである


10ペコの包み紙に


ちゃんとペコちゃんが10にんいるかを


指でなぞって確認した。






?」


「はいっ!?」






手に持っていた包み紙を


慌ててまた生徒手帳の中に戻した。




「センコーが神埼のこと探してたぜ?」


「ってか、なんで丸井!?」


が、言って来いって。」




くそっ!め!あたしがクッキーどうするかって


知ってたんだなっ!




そんなら、仕方ねぇ・・・。




ここは、ドカンと一発!!






「丸井っ!はいっ!」




そういって、丸井の前に


ラッピングしたてのクッキーを


差し出した。




「・・・・・オレ!?」


「いや。ここにはあたしと丸井しかいないしっ!」




あれれ?


あっ!肝心の言葉を忘れてたっ!




「・・・・・スキでござる///」








ござるってなんだ!?



ござるって!?



忍者っぽいけど



あたしはちが〜うっ!!!



















「・・・・・サンキュ///」





こんな意味不明の告白でも、



丸井はテレながら



クッキーをもらってくれた。




そして。




「うひゃっ///」




あたしをぎゅ〜っと


抱きしめてくれた。













































+++++++++++++++++++++++++++++++++++++























只今普通は授業中。だけどあたしらは屋上に。






「ねっ!ブン太v今日は何の日?」


「バレンタインだろぃ?」


「ぴーんぽーん!はいっ!」






今日はあたしの一生をかけたあの日から


一週間後。




今回あたしがあげたのは・・・






「は!?買いチョコかよっ!」


「うん。作るのめんどいし、うまくできるわけないもん。」


「ま。こないだもらったからいっか。」


「う・・・。」




そう。あの日にあげたのは、


の作ったクッキー。




「あ…あのねっ「知ってるぜぃ。」






「あれがの作ったクッキーだってこと。」


「マジで!?」


「マジ。」


「けど、美味しかったでしょ!?」


「ちょーウマかったぜぃ。」


「だってのだもん。」




あたし、今かなり自分の言ったことに


ショック受けた。


のだったんだよなぁ〜。






「まっオレにはがいるからいいぜっw」


「うひゃっ!ハズっ///」






今、こうやってブン太と居れるのも、


あたしがいっつも10ペコの包み紙を


お守り代わりに持ち歩いていたおかげかな?




そして、チョコよりもず〜っとず〜っと


甘いキスを交わした。









来年のバレンタインこそ、


ちゃんとお菓子つくれるようになって


おいしいチョコをプレゼントするねっw




だから今年は買いチョコで許してね☆

























・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うぎゃ〜!妙に甘いっ!
なんだこの夢はぁ!!
なんか自分がイヤになりますね。
こんなヘボ夢を書く私は
一体なに・・・?
ホント、ブン太に謝りたいです。
買いチョコでゴメンねっ!!!



05/01/31