愛の向こう             4

























それから毎日、に会いに行った。


部活の後だから、7時くらいになって


空は僕の心の中を表しているかのように真っ暗。


そんな日が1週間続いた。














がいなくなってしまったら









こんな日が毎日続くのだろうか?









がいない世界に









僕の生きる意味はあるのか?














そんなことを考えていた日曜の朝。


携帯に一通のメールが届いた。


        

         8:37
     ――――――――――
     今日は暇ですかねぇ?
     そんなら、周助に会い
     たいっす^^

      




外出許可を得ているのかは


わからなかったけれど、


とりあえず、




<いいよ。9時に病院の近くの公園でいい?>




と送ったら、すぐにOKとの返事がきた。
























公園について、携帯のディスプレイに目をやると、


9時10分前を表していた。


1番目立つ、噴水のそばのベンチに近づくと、


そこには、の姿があった。









!」






軽く手を振る。



そうしたらはすぐに


笑顔で駆け寄ってきた。






「早いね〜!」


、いつからいたの?」






僕は、自分より彼女に先に


待ち合わせに来られるのは、


あまり良い気分にはなれない。






「う〜んと。秘密っw」






えへへ。といつもの笑顔を見せる。






「どこいこっか?」


「この時間だと、まだお店は開いてないよね。」


「じゃっ、公園でお散歩しよっか!」


「そうだね。」









公園内の並木道を二人で歩く。






「手、つなごっか。」



突然、が言った。



「うん。」






自然に指を絡めてつないだの手は


とても温かくて、冷たかった僕の手を


じんわりと温めてくれた。






「周助?」


「なに?」


「すっごく暗い顔してるよ。」




に言われて、ドキッとした。




「あたしの病気のことは気にしないでね。」




「・・・気にしないなんてムリだよ。」






少し、僕等の間に沈黙がながれた。






「・・・・・わかってた。」


「え?」


「いつかはこんな日が訪れるってこと。」






が一番つらいのに、


僕の方がの病気を恐れていたみたい。






















「あ…あたしは…死んだりしない…」









ハッとして、の方に振り向く。


予想通り、の瞳には涙が浮かんでいた。






「ぜ…ぜったいに…ずっと…周助のそばにいるから…」






僕は言葉を失って…というより見つけられなくて、


を抱きしめた。






…ずっと一緒だよ…」


「…うん。ずっと。」


「…




が、僕を見上げる。









「キス、しよっか。」






が静かに瞳を閉じると、


の頬をゆっくりと涙が伝った。




そして、空からは雪が。




降りゆく雪の中で


僕等は軽いキスを交わした。













このまま、


時がとまってしまえばいいと思った。






そうでなければ、





僕の腕の中にいる







消えてゆきそうで・・・・・
























その日から3日が過ぎた。


僕は、いつものように


に会いに病院にいった。






いつものように


階段をのぼり、左にまがった。


扉を開けて、のいるはずのベットに目をやった。



















そこには




















きれいに畳まれた白い布団











シワひとつないシーツ










誰もいない、ベット。



















  












・・・・・・・・・・・・・・・・
さてさて!次はいよいよ最後です。
読んでくださった方が、
少しでも感動できる物語にしたいですね。



05/01/28